吸収合併のメリットとデメリット 

前回は、まず、吸収合併の概要と打ち合わせの際の心構えをご紹介しました。

▼前回の記事はこちら▼

 

今回は、そのメリットとデメリットについて、ご紹介したいと思います。

 

◆取引先と個別に契約をまき直す手間が省ける

 事業譲渡とは異なり、消滅会社の資産・負債・契約関係・従業員の雇用契約がまるっと存続会社に移転することになるため。

◆買収資金(キャッシュ)がなくても実行できる

 消滅会社の株主に対して、対価として「存続会社の株式」を交付することが認められている(会社法749条1項2号)。

◆シナジー効果と組織の完全統合

 完全に一つの法人になるため、管理コスト(決算や税務申告など)を一本化でき、経営の意思決定も迅速になる。

 →重複部門の統合によるコスト削減、ノウハウの共有による業務効率化、事業規模拡大による競争力向上など、短期間で発現させやすい

 

◆隠れたリスクも引き継ぐ可能性がある

 包括承継はメリットである反面、消滅会社に隠れた債務(未払残業代、将来の損害賠償リスク、帳簿にない借入など)があった場合に、それも含めて存続会社が背負うことになってしまう。

→そういった債務がないか調査することが必要。

◆厳格な法定手続きとスケジュールを管理することが必要になる

 会社法上、株主総会の特別決議や、債権者を守るための債権者保護手続き(官報公告や個別の催告など)(会社法789条、799条)が必須なため、どんなに急いでも最低1ヶ月以上の据置期間が必要であり、実行までに最短でも2ヶ月程度はかかってしまう。

◆許認可が引き継げない場合がある

 すべての権利を引き継ぐとはいっても、行政上の「許認可(例:建設業、宅建業、飲食業など)」は、根拠法によっては合併によって当然には承継されず、事前または事後に再申請・変更届が必要になるケースがある。

◆統合後の社内摩擦(PMIにおける負担)

 異なる社内ルール、人事評価制度、業務・システムを一つにするため、労務面での反発や現場の混乱が生じやすい。

 →経営サイドは、従業員への丁寧な説明や、場合によっては外部からの人員確保が必要。

◆株主の持ち株比率の希薄化

 合併の対価として新株を発行すると、既存株主の持ち株比率が低下してしまうため、割高な合併比率を実施する場合に、既存株主に不利益が生じるほか、株価に悪影響を与える可能性がある。

 →合併比率の算定など専門家に相談することが不可欠。

 

そのほか、注意点としては、法務局への登録免許税のコストの確認(存続会社の資本金の額が増加する場合)や、事前事後の情報開示の義務履行があります。

 

会社法を熟知している司法書士が、貴社に寄り添って丁寧なヒアリングをしたうえで、貴社にとって最適な方法をご提案させていただきます。

会社の吸収合併を検討されている方は、司法書士事務所エンパシーへご相談ください

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