相続登記義務化に伴い、新制度もいくつか創設される予定です。
今回は下記の新制度について紹介したいと思います。
【1】新たに個人が不動産の所有権を取得した場合
名義変更の登記をする際に、所有者の生年月日等の情報の提供が義務化されます。
→登記簿に記録されないが、法務局内部において検索用データとして保管される。
※法務局内の登記官は、氏名・住所・生年月日などの情報を元に、
住民基本台帳ネットワークシステムに定期的に照会及び検索用のキーワードとして利用することができるようになる。
【2】所有者が海外居住者である場合
その国内における連絡先となる氏名または名称(第三者を含む)の申告が必要になる。
その連絡先が登記簿に記録される。
【3】所有者が法人である場合
商業登記システム上の会社法人等番号が登記簿に記載される。
♦被害者保護の観点から♦
登記上に住所が明らかにされることにより、人の生命若しくは身体に危害を及ぼすおそれがある場合などの事由があるときは、
その者の申し出により、登記上に住所が公開されず、住所に代わる事項を記載した登記事項証明書が交付されます。
そして何より、所有している不動産の一覧情報(所有不動産記録証明書(仮名称))を本人または相続人から法務局に対して交付請求できるようになります。
今までは、不動産の所有財産を調べるには、不動産の所在地ごとに市区町村役場で固定資産税評価証明書や名寄帳を取り寄せないといけませんでした。
しかし非課税の不動産の場合は、これらに記載されていないこともあり、全てを把握しきれないこともありました。
法務局で一覧情報がでることにより、相続登記漏れが少しでもなくなるのではないでしょうか。
ただ、所有者が住所を古いままにしていた場合など、検索時に情報が一致していないと正確に全て網羅することは難しいかもしれません。
とはいえ、今回、所有者の住所変更の登記も義務化されていますので、これからの登記については上記懸念事項も徐々に少なくなっていくかと思います。
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