代表取締役の住所の非表示 その2

令和6年10月より、商業登記において、代表取締役等の住所の非表示の制度がスタートしました。

個人的な感覚としては、今のところ利用されている方は少ないように感じられます。

 

制度の概要は、過去のブログをご参照ください↓↓↓

 

◆一度、代表取締役の住所を非表示措置を申し出た場合、そのままずっと非表示は継続されるのでしょうか。

管轄内の本店移転、役員重任、再任名の登記などについては、代表取締役の住所が変更がない場合は、改めて住所非表示措置の申し出をしなくても、住所非表示の措置は継続されます。

しかし、この住所非表示の措置をしているからといって、例えば、代表取締役の住所が変更になる登記をそのまましても継続されるかというと・・・そうではありません!

つまり、代表取締役の住所に変更がある登記をする場合は、改めて代表取締役等の住所非表示の措置の申し出が必要になるということです。

提出書類は、代表取締役の氏名・住所が記載されている市町村長等による証明書です(住民票、印鑑証明書、戸籍の附票など)。

引き続き、住所非表示の措置をとりたい方は申し出ることを忘れないようにご注意ください。

 

 

◆代表取締役の住所非表示の措置が終了になってしまう場合は?

登記官が職権で住所非表示の措置を終了させる場合があります。

 

1)代表取締役の住所非表示の措置を希望しない場合

  希望しない旨の申出書を提出する。

  ※登記と同時でなくてもOK

 

2)株式会社の本店所在場所における実在性が認められない場合

  その本店が、登記上の実在場所に存在しないような蓋然性が高いと考えられる場合に、登記官が本店に通知を送り、一定期間その返信がない場合は、措置を終了させる。

  また、弁護士など資格者から本店所在場所における実在性がないことについて情報提供があった場合には、本店に上記通知を送付することなく、措置は終了させられます。

 

3)上場会社でなくなったと認められる場合

  株式譲渡制限の定款の定めの設定の変更の登記が申請された場合などは、上場会社でなくなっと判断され、措置が終了します。なお、上記変更登記申請と同時に、改めて住所非表示の措置の申し出をすれば、引き続き措置は継続します。その際は、上場会社以外の株式会社が代表取締役等住所非表示措置の申出をする場合の添付書面が必要となります。

  ※もともと上場会社でない場合で、株式譲渡制限の定款の定めの設定の変更登記申請をする場合には、その旨を登記申請書に記載する必要があることに注意。(もともと上場会社ではないが、上場会社でなくなったと判断されてしまう→措置終了)

 

4)閉鎖された登記について復活すべき事由があると認められる場合

  清算結了登記をしたものの、清算が未了の財産があることが明らかになった場合などは、措置が終了する。 

 

以上、措置を継続したい場合は、上記4パターンを念頭に置いておいてください。

また、住所非表示の措置をしているからといっても、官公署から請求がある場合には法務局は応じるため、対象となった住所情報は提供される可能性もあるということです。

【引用】法務省HP

 

登記上の代表取締役の住所を非表示にすることについて、住所を知られたくないからと安易に決めるのではなく、デメリットとメリットを確認したうえで、検討されることをおすすめいたします。

 

商業登記や会社組織について、お悩みやお困りごとがありましたら、

東京駅近くの司法書士事務所エンパシーへお気軽にご相談ください。

 

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