役員全員を解任する登記

こんにちわ。

司法書士の柿沼です。

 

「登記」のことがニュースになることは珍しいのですが、会社の乗っ取り事件(役員を勝手に変更登記)が報道されました。

TBSニュース

1000億円相当の資産を保有する消費者金融の親会社を乗っ取るため、役員登記を書き換えたとして逮捕された男らが、社長と同じ名字の男を親族と偽り、登記していたことが分かりました。

(上記TBSニュース参照)

 

会社の乗っ取りを謀ろうと、会社の役員の登記を勝手にいじることは、

商業登記法等を詳しく知っている者からすると、手続上はできてしまう、と言って良いと思います。

 

しかし、下記の通知があります。

○ 役員全員の解任を内容とする登記申請があった場合の取扱いについて

(平成15年5月6日付法務省民商第1405号商事課長通知)

1 会社又は法人の役員全員の解任を内容とする変更登記の申請があった場合には,速やかに,当該会社又は法人に適宜の方法で連絡するものとする(書面により連絡する場合には,別紙様式を参考にすること。)。

2 解任されたとされる役員のうちのいずれかが申請書又は添付書類の閲覧を求めた場合には,届出印又は運転免許証の提示等の適宜の方法により,登記簿上の役員本人又はその代理人であることを確認した上,閲覧に応じて差し支えない。仮処分申請のため必要である等の事情が認められる場合には,適宜,申請書等の写しを交付することも差し支えない。

3 登記完了前に,解任されたとされる代表者から,当該申請に係る申請人が代表者の地位にないことを仮に定める内容の仮処分決定書等が提出された場合には,当該決定書等を本件登記申請の審査の資料とすることができる。

4 登記完了後に,解任されたとされる代表者から,申請書にその者が代表者の地位にあること及び登記に係る代表者は代表者の地位にないことを仮に定める内容の仮処分決定書等を添付して(商業登記法(昭和38年法律第125号)第109条第2項,第107条第2項本文参照),同法第109条第1項第2号の規定による当該登記の抹消の申請がされた場合には,他に却下事由がない限り,当該登記の抹消の登記をすることができる。
なお,取締役等の職務執行停止及び代行者選任の仮処分命令があった場合には,その旨の登記は,裁判所の嘱託によってすることとなる(民事保全法第56条)。

 

司法書士としては、会社の役員を全員変更する場合には、要注意です。

事業譲渡や株式譲渡と一緒に行われる場合以外には、その理由や背景もとても大事です。

 

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