皆様、こんにちは。
外国会社の商業登記事務の取り扱いについて、法務省より通達がでました。
(令和4年6月24日付法務省民商第307号)
そもそも・・・外国会社が日本において継続して取引をしようとするときは、
日本における代表者(日本における代表者のうち一人以上は、
日本に住所を有する者でなければなりません。)を定めて(会社法第817条第1項)、
当該外国会社について登記をすることが必要です。
会社法上、外国会社は、外国会社の登記をするまでは、日本において取引を継続してすることができません。
そのため、日本で継続して取引をしようとする外国会社は、まず初めに、
日本における代表者を定めた日から3週間以内に(外国で選任された場合には、
その旨の通知が日本における代表者に到達した日から起算。)、
外国会社の登記の申請しなければいけません(会社法第933条第1項、第5項)。
その登記申請を怠った場合は、100万円以下の過料に処される可能性がありますので、
注意が必要です。
また、この登記をせずに日本において継続して取引をした者には、
登録免許税の金額に相当する過料を処される可能性があります。
今回の通達の概要は下記の通り。
<1>外国会社の日本における代表者が法人である場合
外国会社の日本における代表者を法人とする登記申請は可能。
この場合において、日本における代表者の職務を行うべき者が当該登記申請をする際に、
申請書に会社法人等番号を記載したときを除き、当該法人の登記事項証明書(3か月以内のもの)
を添付しなければならない。
◆当該法人の代表者の職務を行うべき者は、後見人が法人である場合と同様に、
下記の通りでなければならない。
①当該法人の代表者(登記された外国会社の場合はその日本における代表者)、
当該法人の代表者が法人(外国会社以外)である場合→その代表者又はその職務機密を行うべき者
②日本において登記された外国会社の場合→当該外国会社の日本における代表者
③日本において登記されていない外国会社である場合→当該外国会社の代表者
◆当該法人は、日本に住所(本店又は主たる事務所)を有するもの、日本において登記された外国会社
又は日本において登記されていない外国会社でその代表者が日本に住所を有するものでなければならない。
※他の外国会社の日本における代表者が日本に住所を有するときを除く
◆電子証明書の発行不可
<2>外国会社の日本における代表者の住所が法律事務所の所在場所等である場合
日本における代表者として弁護士を定めた場合、当該弁護士の事務所の所在場所(法律事務所)を
日本における代表者の住所として登記申請することが可能。
※同一人であること確認できる書面の添付が必要
◆外国会社の登記がなされている場合において、
日本における代表者の住所の更正の登記の申請があった場合、
他に却下事由がなければ、受理して差し支えない。
なお、錯誤を証する書面の添付は要しない(商業登記法第132条第2項)
◆電子証明書の発行可能
外国会社や日本における代表者に関する商業登記について、
お気軽に司法書士事務所エンパシーへお問い合わせください。
★過去のブログ★