監査役の責任

こんにちわ。

司法書士の柿沼です。

 

当事務所には、株式会社、合同会社のほか、一般社団法人や一般財団法人、宗教法人やNPO法人の登記のご相談がよくあります。

先日、一般財団法人のご相談を受けました。

一般財団法人の機関として、下記要件があります。

1)評議員 3名以上

2)理事 3名以上

3)監事 1名以上

このご時世、7名のメンバーを集めて登記をするというのは、なかなか困難です。

登記後のメンテナンスも大変です。

 

一般財団法人の形を維持しようとすると、7名の確保が必要であり、

法人の運営にはあまり関係のない人に評議員、理事、監事の就任を打診するようなこともしばしば・・・

 

ここで知っておいて欲しい判例(最高裁令和3年7月19日第2小法廷判決が令和3年7月19日にでました。

 

<事例>

会社の経理担当者が約9年かけて2億円超の横領をしており、その間、銀行口座の残高証明書を偽造していた。会計監査を担っていながら、横領を見抜けなかったとして、会社が監査役を訴えた。

<判示事項>

監査の範囲が会計に関するものに限定されている監査役は,計算書類及びその附属明細書の監査を行うに当たり,当該計算書類等に表示された情報が会計帳簿の内容に合致していることを確認しさえすれば,その任務を尽くしたといえるか

<裁判要旨>

 監査の範囲が会計に関するものに限定されている監査役は,計算書類及びその附属明細書の監査を行うに当たり,会計帳簿が信頼性を欠くものであることが明らかでない場合であっても,当該計算書類等に表示された情報が会計帳簿の内容に合致していることを確認しさえすれば,常にその任務を尽くしたといえるものではない。(補足意見がある。)

 

すなわち、名ばかり役員であったとしても、取締役、監査役、理事、監事は登記され、公示されるものであり、

そこには会社法上等の責任が発生します。

 

そのことは重々理解して上で、役員の就任、引いては、会社運営、法人運営を進めて行く必要があります。

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