共同代表で会社を作るということ

司法書士の柿沼です。

最近、立て続けに下記のような内容の株式会社の設立のご依頼がありました。

代表取締役 A

代表取締役 B

株主 AとB(持ち株数は50対50)

 

ただ、それにはリスクがるということを何百社の起業をサポートしてきた司法書士として、

お伝えしなければならないことでもあります。

 

おそらく、司法書士や弁護士に相談したら、

「やめておきなさい」と苦言を呈されることが多いのではないでしょうか。

 

理由は、AとBが仲が悪くなったときに、

大変面倒なことになるからです。

会社法の観点からは、過半数や3分の2以上の議決権の確保という話です。

どちらかが「NO!」と言えば、会社の意思決定はロックアウトしてしまいます。

その後、

株式を買い取れとか、

放置していても法人の確定申告や納税は待ってくれないのでその責任の所在等、

どうしようもなくなってしまうことまままあります。

 

気心知れた仲間とこれからビジネスを立ち上げようとワクワクしている時に、

設立の登記を依頼した司法書士に、

将来揉めることになるかもしれないと説明を受けるのは、とてもテンションが下がることだと思います。

 

私自身、

事務所を経営し、株式会社も保有し、社団の理事をやっていたり、

様々な人とプロジェクトを立ち上げているので、

という情熱や想いがスタートアップのときにはとても大切なこともわかります。

 

結局すべては選択であり、

選択するための情報はきちんとお伝えしつつ、

現状心の赴くままに決めて頂くのがよい、

という判断に至っています。

 

一緒に会社をやろうということは、

Aはコンテンツをもっており、Bはマーケットをもっている、

Aは営業に強く、Bは事務処理が強い、等

一緒にやる意義はもちろん、明確な役割があるはずです。

そのことに上も下もないのですが、

時間が経つと、

お客様をもっているほうが偉い、

お金を稼いでいる方が偉い、

相手の変わりはいくらでもいる、となってしまいがちです。

 

<私が思う共同代表で揉めるベスト3>

3位 従業員や第三者が増えた時のパワーバランスの変化

2位 お金の使い方

1位 役割を果たさない(果たせない)

 

リスクをきちんと理解した上で、

役割を明確にし、

揉めそうな部分では取り決めをしておく

・コンテンツの帰属先はどこか

・お金の管理はどちらがして、チェック体制はどうするか

・意思決定の方法

・出口

 

そして、AとBの間にはいって「うんうん」とか「まぁまぁ」と言える士業がいると、

とても良いと思っています。

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