先日、こんなご相談がありました。
「亡くなった娘は、私(母)のお墓に入りたい。」
と言っていたのですが、
娘の配偶者は遺骨を渡してくれません。
どうしたらよいですか。
遺骨の帰属の問題というのは、
もしかしたら、
相続財産の争いよりも、
感情が複雑に絡まって困難なものかもしれません。
はてさて、
そもそも、
遺骨は誰のものなのでしょうか。
遺骨の帰属者について、下記の学説があります。
(1)相続人承継説
(2)喪主帰属説
(3)祭祀承継者承継説
そして、判例は(2)と(3)で分かれています。
最高裁の判断はというと、
平成元年7月18日の判決にて、
「遺骨は、慣習に従って、祭祀を主宰すべき者に帰属する。」
と判示しています。
遺骨について、
家族で争う、法廷で争う、
というのもなんだかせつないですし、
分骨に応じることが普通にはならないでしょうか。
バラバラになるのは、かわいそう、おかしい、という意見もありますが、
現実を見ていると分骨でよいのではないか、と思ってしまいます。