よく依頼のある講演内容として、
「遺言トラブルセミナー」があります。
前半は、
遺言書を作成したほうが良い人とその理由、
自筆証書遺言と公正証書遺言の違い、
遺言以外の選択肢、
について講義形式でお話しさせていただきます。
後半は、
珍しい試みだと自負しておるのですが、
とある遺言書をもとにグループワークをして頂きます。
とある遺言書とは、
実際に私が相談を受けた事例をアレンジしたもので、
簡単に言うと、
公正証書遺言があったのに揉めてしまった事例
です。
よく、
「公正証書遺言を作成しておけば安心です!!!」
というフレーズを耳にしますが、
ケアすべきところをほったらかしにしておくと、
公正証書遺言といえど、
揉める可能性が大いにあるのです。
そして、
上記のような公正証書遺言は、実は少なくないのです。
受講者の皆さんに、そのことを知ってもらいたくこの題材を選んでいます。
この公正証書遺言は、どこを直せば揉めなかったのか、いろいろな意見が飛び交い、
私も勉強になります。
そして、先日、公正証書遺言の作成の相談のため、横浜に行ってきました。
正直、
ある財産をAに渡したい、
という遺言者の希望のみをヒアリングして、
その通りの公正証書遺言を作成することは時間もかからず、簡単です。
しかし、それでは円満相続の実現は難しいと考えています。
遺言者の意思はもちろん、
預貯金、
不動産、
生命保険、
有価証券、
負債、
連帯保証の有無、
相続人や受遺者のパーソナリティや現在の状況
生前贈与の有無などなど、
細かく質問させて頂きました。
それにより、
遺言者が気づいていない財産やリスクを認識することが重要となります。