もともと取締役会を設置していた会社でしたが、
取締役3名以上、監査役1名以上の維持が役員の入れ替えや会社の実態と乖離するため、
見直したいというご要望は多いです。
特に、会社法施行前から存続する会社(取締役会と監査役が必ず置かなければならなかった)に多いです。
今回は、取締役会をなくしてもよいのではないかと考えている会社のために、
取締役会設置会社の廃止について整理しました。
1 取締役会を廃止する場合どうなるのか??
■定款の変更
取締役会の規定を削除し、今まで決定機関を取締役会としていたものを株主総会等に変更する必要があります。
・株式の譲渡制限に関する規定
・代表取締役の選定方法 等々
※監査役も必要でなければ、監査役設置会社の廃止も同時に行います。
■登記の変更
取締役会設置会社に関する事項だけでなく、
取締役会設置会社の廃止に伴って、株式の譲渡制限に関する規定など、登記されている内容について
定款で変更した部分も、もちろん登記の変更が必要です。
代表取締役の選定方法を例に挙げると…
取締役会設置会社の場合、取締役が3人以上必要ですが、
取締役会を廃止したら、取締役は1人からでもOKになります。
(取締役の員数について定款規定の確認が必要です。)
ここで、既存の取締役が辞任して、新たに取締役を追加した場合、
取締役会非設置会社は、原則取締役は各自代表権があることから取締役全員が代表取締役になるため、
代表取締役A、取締役Bとしたいときは、代表取締役を改めて選び直す必要があります。
補足ですが、取締役非設置会社については、
一人取締役(代表取締役)の会社に新たに取締役が入ってきた場合、
代表取締役を一名にしたい場合には、代表取締役を選ぶ必要があります
(この代表取締役は取締役が1名しかいないため、当然に代表取締役となり選定されているわけではないため)。
※元々複数の取締役がおり、既に適切な方法で代表取締役を選定している場合は、
取締役が追加されても代表取締役は選び直す必要はありません。
2 取締役会廃止の注意点は??
項目によっては、会社の意思決定が、取締役会から株主総会に変わります。
外部の株主が多く、株主総会の開催が煩雑な会社にとっては、
会社の運営がスムーズに進まない可能性がありますので、注意が必要です。
3 さいごに
会社法改正前は、株式会社には取締役が3名以上、監査役1名以上で取締役会の設置が必要でしたので、
実際に経営しているのは1人ですが、株式会社にするために親戚や友人に
取締役に名前を入れてもらって、会社を経営していた社長さんもいるかと思います。
そういった名目で役員に組み入れてまで株式会社にしなくても、
現在の会社法では自由な役員構成に変更することができます。
実際は1人で会社を動かしているのに、上記のように登記上の会社状況が違っているようであれば、
実態と書面上の整合性を合わせていった方が円滑な経営ができるかと思います。
そういった面で不安なことや気になる点がございましたら、弊所にお気軽にご相談ください。
定款の大幅な変更があるため、専門的な知識も必要になってきますので、
ご依頼いただくことで安心して変更手続きを進められます。
※ご相談の際は、会社謄本と現在の定款をご用意ください。