司法書士の柿沼です。
『住まいは賃貸か所有か』と同じくらい、
スタートアップの時に気になるのが、
『個人事業主か、会社設立か』だと思います。
株式会社や合同会社の設立登記を長年サポートしてきた司法書士として、
どう感じているか伝えたいと思います。
会社設立の登記を生業としている司法書士として
まず伝えたいことは、
会社を設立するとコストがかかるので、
ある程度の算段が立っていない方は個人事業主からスタートするほうがコストというリスクが減るため、
個人事業主からのスタートをお勧めします。
<会社設立後、最低でもかかるコスト>
設立登記の費用(登録免許税、公証人手数料、司法書士報酬等)、
会社印の作成、
税理士に法人の確定申告を頼むのであれば税理士報酬、
赤字だろうがかかる法人住民税の均等割り7万円
初年度で株式会社設立で考えると、年間70万円程度はかかります。
※次年度は設立登記部分がなくなります。
上記コストは、個人事業主ではかかりません。
確定申告も税務署のHPとフリーや弥生会計で自分でやればある程度できるでしょう。
デメリットとしては、相談できる士業の不在や細かいところは気づかないまま事業をしていくことになることでしょうか。
とはいえ、起業当初に運転資金(経営者の生活費を含む)がきちんとあることは、
その後の事業継続率に大きく影響しますので、コスト意識はとても大事です。
売上がある程度見込めるようになってくると、
規模の拡大、人材の雇用もしくは節税が視野に入ってくると思うので、
士業のサポートが必要になるでしょうし、
法人なりを検討する、というのが自然な流れというか、失敗の可能性が少ない流れだと思います。
起業時は、
稼げないので「お金>経営者の時間」となりますが、
稼げるようになると「お金<経営者の時間」となっていきます。
よく言われていることですが、
経営者が経営者のための時間を確保する必要があり、
そのために、士業があり、雇用があると思います。
混沌とした社会情勢に加え、コロナの影響もあります。
雇用という受け皿は不安定となり、終身雇用、年功序列等の仕組みの中で組織の力で仕事をしていく時代から、
副業やジョブ型雇用で個の力での経済活動をモチベートしていく時代に突入していると感じます。
雇用もままならないため、起業をせざるをえない人も増えていくでしょうし、
何より自分で稼ぐ力をつけなければならない時代だと思います。
その中で、「司法書士としてできることは何か」、と考えたときに、
単なる設立登記だけを請け負うだけの価値提供とは違った起業支援が必要だと感じています。
これからの時代は、『誰でも起業』は一つのポイントになるでしょう。
司法書士として、14年、経営者となって8年の経験から、
会社を設立することは誰でもできる、
ただ継続することがとても難しい。
事業としての継続性と向き合った起業支援が求められている。
99%の中小企業が活性化することは、日本の活力の源になる。
司法書士事務所エンパシーでは、
この志を持って会社設立、起業支援をサポートしていきます。