役員変更登記~代表取締役の選び方~

株式会社の方にとって一番身近な登記は役員変更登記ではないでしょうか。

株式会社の役員(取締役、代表取締役、監査役)については、メンバーが変わらず同じ人が重任(任期満了に伴って退任したものが時間間隔を置かずに就任すること)するとしても登記をしなければなりません。

この役員重任の登記は、定時株主総会開催後、2週間以内に登記する必要があります。

(※役員任期については、ご自身の定款をご確認ください。)

任期が10年(最長年数)だときちんと管理していないと忘れかねません。

 

ちなみに…この役員重任登記を怠った場合には、法務局から登記懈怠として過料請求がくるので注意が必要です。

 

今日は役員変更の中でも代表取締役の選任についてお話したいと思います。

 

<基礎知識>

★代表取締役を定めない場合★

取締役会を置かない会社において、特に代表取締役を定めない場合、取締役は各自会社を代表します(会社法349条1項)

 

☆代表取締役を定める場合☆

①定款で定める

②株主総会で決める(取締役会設置会社の場合は、定款で定めた場合を除き取締役会で決める)

③取締役の互選※定款で定める

 

それでは、下記のような会社の場合どうなるでしょうか(非取締役会設置会社)。

【例】

■役員

取締役 Aさん

代表取締役 Aさん

監査役 Cさん

 

■定款

(代表取締役)

第●●条

当会社に取締役を複数置く場合には、取締役の互選により代表取締役1名を定め、代表取締役をもって社長とする。

 

上記のような会社さんで以下のような変更がありました。

1月20日 Bさん取締役に就任

1月20日 取締役全員によりAさん代表取締役選定

1月31日 取締役&代表取締役のAさん辞任

定款より、取締役が複数いる場合(重任するタイミングではAさんとBさん)は2人の互選で代表取締役を決めなくてはなりません。

しかし、1月31日にAさんは辞任しているので、代表取締役がいなくなってしまうので決めなおさなければいけないのでしょうか?

議事録や互選書を見ても、Bさんが代表取締役に選定されていませんが、当然にBさんが代表取締役ということになります。

登記上もBさんは代表取締役に「就任」ではなく「代表権付与」と表記されます。

細かい点ですが、代表取締役の選定の仕方ひとつとっても、色々な手順があります。

 

会社の実態や役員の状況が設立時と変わっているのに、定款はそのままということもあります。

このタイミングで一度見直してみるのも良いかもしれませんね。

 

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