合同会社の持分譲渡

みなさま、こんにちは。池田です。

会社設立の場合、

ほとんどは株式会社を設立される方が多いのですが、

最近では会社の目的に応じては合同会社を設立する方も少なくありません。

 

合同会社の場合、どのように出資して会社を運営しているかのお話です。

合同会社は株式会社と違って、 出資者=社員 となります(登記されます)

この社員ですが、一般的な従業員とは考え方が異なります。

 

また、この社員にも複数の種類があります。

  • 代表社員

会社の代表権を有する社員です。契約締結など、通常の株式会社の代表取締役と同じような権限を持ちます。

複数名を代表社員にすることも可能です。

  • 業務執行社員

経営に関与する社員のことを指します(原則はこちら)。

定款で代表社員を定めていない場合は、業務執行社員全員が会社経営を担うことになります。

原則、会社の意思決定をする上で、業務執行社員の過半数の同意が必要となります。

  • 社員

出資はするものの、経営には関与しないものを指します。メリットとしては、会社の配当金は受け取れることです。

また、業務執行はしないものの、お金や資産等の監査や調査はできます。

 

株式会社と異なる点として、法人でも、業務執行社員や代表社員になれる点です。

※株式会社では、取締役や代表取締役に法人はなれません。

 

 

合同会社の持分譲渡について

弊所で合同会社のご相談が多いのは、主に設立持分譲渡です。

今回は持分譲渡について少し触れたいと思います。

合同会社を子会社として作り、その会社自体を売買するケースも少なくありません。

その際には、持分譲渡をすることとなります。

 

持分全部譲渡による退社及び入社

合同会社の社員は、その持分の全部を譲渡したときは退社し、既存の社員以外の人がその持分の全部を譲受したときは社員として加入することになります。

合同会社の業務執行社員及び代表社員は登記されるため、退社した社員が業務執行社員や代表社員であったときはその退社の登記を申請する必要があります。

新たに加入した社員が業務執行社員や代表社員となったときは、

その加入の登記申請を、入退社をした日から2週間以内にしなくてはなりません。

 

このように持分譲渡を行うと、ハコ(会社)はそのままで、経営権を譲渡することができます。

もちろん、会社を買収する上で、財務状況や契約関係は引き継ぐことになるので、各専門家による精査をしておくことになります。(デューデリジェンスと言います。)

複数人で経営していた会社から社員がいなくなる場合は、下記の手続きが必要です。

 

持分を既存社員に全部譲渡

持分を既存の他の社員に全部譲渡したときは、譲渡した社員は退社し、譲受した社員の持分は増加します。

この場合は、譲渡した社員の退社の登記申請を、効力発生日から2週間以内にしなくてはなりません。

譲受した社員がこれを機に業務執行社員や代表社員へ新たになったときは、その変更登記も必要となります。

 

持分を既存社員以外の人に全部譲渡

合同会社の社員は、

基本的には他の社員の全員の承諾を得ることによってその持分の一部または全部を譲渡することができ(会社法第585条第1項)、

持分の全部を譲渡したときは当該社員は退社することになります。

業務を執行しない社員は、業務を執行する社員の全員が承諾をしたときは、

その持分の一部または全部を譲渡することができるとされており(会社法第585条第2項)、

この場合の社員変更にともなう定款変更も、業務を執行する社員全員の同意によって行うことができます(会社法第585条第3項)。

 

このように、合同会社は株式会社と少し概念が異なるほか、手続きに必要な書類も株式会社とは変わります。

手続きが難しいと感じた方はサポートさせて頂きますので、お気軽にご相談ください。

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