今回は、
相続人間での話し合いがなかなかまとまらずに、
とっ~~~~~~ても時間がかかると思っていた案件が、
ひょんなことから進んでいったという、良いビックリ事例です。
母が2018年5月に亡くなりました。
相続人は、長男、二男、長女の3人です。
長男家族がその母と同居していました。
土地の名義は母、
建物の名義は長男2分の1、母2分の1です。
そして、この土地と建物は長男が相続するということで、
なんとなく合意ができていたところに、
長男が病気で亡くなってしまいました(数次相続となってしまいました)。
長男の相続人は、妻Aと未成年の子が3人。
夫が亡くなった悲しみにくれる暇もなく、
未成年の子を働きながら育てなければならない状態で、相続手続も進めなければならないという中、
とある会社の社長で二男の妻から、相談に乗ってあげて欲しいと亡くなった長男の妻であるAさんをご紹介頂きました。
二男は当初から一切何もいりません、Aさんに良いようにしてあげてください、というスタンスでした。
母の相続については、ある意味、部外者であるAさん(法律上はそうではないですが)。
長女にあたるお姉さんのことを気にして、あまり言いたいことが言えなかったりしました。
長女からは、法定相続分はもらいたいと言われてしまっており、
自宅の不動産を共有にするか、売却してお金で分けるしかない・・・と半ば諦めていました。
生前、お母さんは「自宅を長男へ、その代わりに長女にはお金を渡しておくから。」と言っていたとAさん。
私の経験上、
生前贈与をしている側が、
「生前贈与をしている」と言って、贈与をしていないことはほぼありません。
一方で、
生前贈与を受けている側が、
生前贈与を受けているにも関わらず、「贈与を受けていない。」ということはままあります。
家族会議の中で、Aさんが長女に、「お母さんからお金を受け取っていないですか。」と尋ねたところ、
「一円ももらっていない。」と長女。
実際には、お母さんの預貯金は長女が管理しており、その通帳の記録は一向に出てこない・・・
そんな中、
Aさんがお家を整理していたら、
お母さんが加入していた生命保険証券が見つかり、
その記録をみたら、満期になって保険金がおりており、そのお金が長女の口座へ送金されていることがわかりました。
次の家族会議の場で、
そのことを長女に確認したら、「もらっていた。」ことを認めて、
このお金と預貯金とちょっとした代償金で、
不動産はAさんに譲るということで合意ができました。
自宅の不動産を共有にするか、売却してお金で分けるしかない・・・
から、一転、
無事、希望通りの遺産分割協議が調ったビックリな相続でした!!